皆さんこんにちは! ペイントドクター、更新担当の中西です。
イベント盛り沢山なこの季節、いかがお過ごしでしょうか?
~多様化~
ということで、その進化の背景と、多様化による可能性を探ります。
かつて「塗装業」といえば、建物の外壁や屋根に塗料を塗る、仕上げ的な工程を担う職種と見なされていました。しかし今や塗装業は、「保護・装飾・機能付与」の枠を超え、技術・素材・サービスの多様化を通じて新たな役割を担い始めています。
1. 機能性塗料の普及と高付加価値化
近年、塗料そのものの進化が著しく、単なる着色のためだけではなく、以下のような高機能をもつ製品が一般化しています。
-
遮熱・断熱塗料:夏の室温上昇を抑え、省エネ効果が期待される。
-
防カビ・防藻塗料:湿気の多い地域でも清潔な外観を維持。
-
セルフクリーニング塗料:雨で汚れを洗い流すことで、メンテナンスを軽減。
-
抗ウイルス・抗菌塗料:病院や福祉施設など衛生管理が求められる現場に対応。
これにより、塗装業は「建物を守るテクノロジーの担い手」として、住宅や施設の性能向上に直結する存在へと成長しています。
2. サービス領域の拡張とリフォーム化
塗装工事は、外壁や屋根のメンテナンスサイクルの中で重要な工程ですが、それだけにとどまらず、次のような多機能業態へ変化しつつあります。
-
外装リフォーム全般への対応:シーリング、防水、外壁材交換、屋根葺き替えなども含めた「建物外装の総合診断・提案」が可能に。
-
住宅診断(ホームインスペクション)との連携:下地の劣化や断熱不足を含めた総合提案を行う事業者も登場。
-
デザイン提案型塗装:カラーシミュレーションや意匠性の高い塗装パターンの提供など、「魅せる外観」への対応が求められるように。
3. 顧客ニーズの多様化とBtoC戦略の強化
従来、塗装業は建設会社やハウスメーカーの下請けが多かった業種ですが、現在は一般消費者向け(BtoC)に直接サービスを提供する業者が増えています。
-
Web・SNSでの集客・ブランディング:自社ホームページやInstagramなどを活用し、実例紹介・口コミ集客が鍵に。
-
見積もりの透明化・顧客との対話重視:塗料の種類や塗り回数など、素人にもわかりやすく丁寧に説明する姿勢が重視されるように。
-
女性顧客・高齢世帯への配慮:訪問販売的な手法から脱却し、安心・丁寧・誠実な対応が業者選びの決め手に。
4. 地域密着型事業としての多機能展開
地域のインフラ維持に貢献する存在としても、塗装業の可能性は広がっています。
-
公共施設や文化財の保全:建物の長寿命化や美観維持において、地元企業の技術と経験が活かされる。
-
空き家の再生・地域活性化プロジェクトへの参画:塗装による美観回復とともに、住まいの再価値化に寄与。
-
防災・耐久性能の強化:外装の劣化を放置すれば雨漏りや腐食につながるため、予防保全の専門職として需要が増加。
5. 働き方と人材育成の多様化
業界の高齢化と職人不足を背景に、若年層や未経験者、女性職人の育成・受け入れが急務となっています。
-
見える化されたキャリアパス:技能検定制度や研修体制を整備することで、職人の成長と技術継承を図る。
-
柔軟な働き方の導入:リモート見積もり、ITを活用した現場管理など、働きやすい職場環境づくりも進行中。
-
動画・SNSを活用した技能共有:若者への魅力発信と、地域・業界内での知識共有が進められている。
塗装業は、暮らしの“再発見”を支える職能へ
塗装業の多様化は、単なる業態変化ではなく、地域と人々の暮らしに新しい価値を与える取り組みの一つです。防水・断熱・美観・文化の保全といった多面的な要素を備えながら、個人・企業・地域社会と深く関わる存在へと進化を遂げています。
今後も、塗装業は「暮らしを塗り替える」だけでなく、「社会の景色をつくり直す」可能性を秘めていると言えるでしょう。
お問い合わせは公式LINEから
お問い合わせ
